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青柳貴宏
管理者
その他
プロフィール
登録日: 2023年3月26日
記事 (42)
2025年11月25日 ∙ 3 分
ジャベリックスローは何をもたらすか?ーアフォーダンスと自己組織化が導く 自然な投動作の学習
動作の改善には、フォームを矯正するための指示や意識付けが多用されがちですが、近年のスポーツ科学では、選手の身体が“自ら最適解を探しにいく学習環境づくりの重要性が指摘されています。その中で、野球界で広まっているのが ジャベリックスロー(ジャベスロー) です。そこで「ジャベスローは選手に何をもたらすのか?」「なぜフォーム矯正より効果が出るのか?」を考えてみたいと思います。 ■ ジャベスローは “身体が勝手に学ぶ” 環境をつくる ジャベリックスローが従来のボール投げと決定的に違うのは、道具そのものが正しい動きを誘発するという点です。この「誘発性」のことは アフォーダンス(affordance 、環境が生物に提供するもの ) と呼ばれます。 ジャベは 長い 軽い リリース角度の影響が大きい 力任せだと飛ばない 体の捻転とリーチを自然に使いたくなる こうした特性が選手の身体に「こう投げた方が飛ぶな…」という 感覚的な探索行動 を引き起こします。これは 自己組織化(self-organization) と呼ばれ、フォームを頭で作るのではなく、...
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2025年11月13日 ∙ 3 分
背中側への過度な芯落下が招くアウトイン軌道
「芯を落とす」「ヘッドを下げる」「芯落下」などの言葉がSNSなどで広く使われています。確かにトップ選手のスイングをスローで見ると、一瞬バットの芯が落ちるように見えるのですが、意識的に背中側へ落とすのは誤りと言ってもいいのではと考えます。 今回は背中側への過剰な芯落下のデメリットと望ましい芯の落下について整理します。 ■ 背中側への芯落下が起こす動作とその問題点 トップからスイングに入る際、ヘッドを自分の背中側へ大きく倒すように落とす誤った意図的な芯落下は、次のような現象を引き起こします。 バットヘッドが身体の回転軸から遠ざかる → 回転半径が大きくなり(回転軸からヘッドが遠く離れる)、遠心力が強く働く。 体幹の回転に対してヘッドが外回りする → 内から出せず、スイングは外→内の「アウトイン軌道、ドアスイング」に。 打球初速が上がらない → 力のベクトルが投手方向に伝わらない。 特に芯落下での「バットヘッドを早く下げる」意識は、打ち出し角のコントロールを失い、スイング軌道のトンネルを消す結果にもなります。 ■ 芯落下が起こるメカニズム...
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2025年11月10日 ∙ 3 分
フォームを固めるという考え方について - 野球の打撃動作と“動作の多様性”
■ 「フォームを固める」という考え方 多くの選手や指導者は「フォームを固める」ことを理想と考えます。確かに、反復練習によって安定した再現性を得ることは重要です。しかし、常にフォームを固めるべきだという考えには落とし穴があるように思います。それは「 状況に適応する力(可変性) 」を失うリスクがあるからです。 ■ 人の動きは「繰返しのない繰返し」 人間の運動は、機械のように同じ動きを再現しているわけではありません。 たとえ熟練した選手でも、スイングの軌道やタイミングは毎回わずかに異なる。 むしろ、その 小さなズレ(変動性)こそが“適応力” であり、これは「動作多様性(Movement Variability)」と呼ばれています。 この考え方は「システム論的運動制御(Dynamic Systems Theory)」に基づき、動作を「固定化すべきフォーム」ではなく、環境と身体と課題の相互作用から生まれる自己組織化(self-organization)として捉えます。 ■ アトラクターとフラクチュエイター この理論の鍵が、アトラクター(Attractor)とフラクチュエイター(Fluctu...
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