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徐脂肪指数(FFMI)とは? アスリートが注目すべき理由と高め方

更新日:9月2日

■ 徐脂肪指数(FFMI)とは?

  • Fat-Free Mass Index(FFMI) の日本語訳で、「徐脂肪体重(=筋肉・骨・水分など脂肪以外の体重)」を身長で割って算出した指標。

  • 計算式 FFMI=徐脂肪体重 (kg)÷身長 (m)²​

👉 BMIが「体重÷身長²」で肥満度を見るのに対し、FFMIは“筋肉量の多さ”を相対的に評価できる点が特徴です。※単位に注意!身長はcmではなくmです

  • 身長 (m)²×


■ なぜアスリートに大切なのか?

  1. 筋量を客観的に評価できる

    体重や体脂肪率だけでは「筋肉がどれくらいあるか」を正しく把握できません。FFMIは筋肉量を相対化できるので、競技特性に応じた体づくりの目安になります。

  2. 競技力と直結する

    ・野球ラグビー → パワー発揮に直結

    ・陸上短距離 → 筋量の割に体脂肪を抑えた高いFFMIが有利

    ・体操や格闘技 → 過度な体重増加は不利なので、適正FFMIが重要

  3. 過剰筋肥大やドーピングの判断基準にも

    欧米ではFFMI=25前後が自然界の上限とされ、極端に高い値は薬物使用の可能性を示す参考指標としても使われています。


■ FFMIの目安(男性の場合)

  • 18以下 … 筋量不足

  • 18〜20 … 平均的

  • 20〜22 … 筋トレをしている一般レベル

  • 22〜24 … 競技アスリートレベル

  • 24〜25 … 自然界でのほぼ上限(エリートボディビルダー級)

女性は全体的に2〜3ポイントほど低い傾向があります。


■ 野球選手の理想的FFMI

  • 大学野球選手(NCAA 全米大学体育協会:FFMI平均値は 22.1 ± 1.6 kg/m²

  • プロ野球選手(MLB):FFMI平均は 25.0 kg/m² とされ、エリートレベルではより高い値が必要

👉 競技レベルが上がるほど、より高いFFMIが求められることがわかります。


■ 年代別の目安

  • 高校生:16.9〜17.8(発育途中、自然な筋量増加)

  • 大学・社会人:20〜22(アスリートとして理想的なレンジ)

  • プロレベル:24〜25(トップクラス、自然界の上限値付近)

年代・レベル

理想的FFMIの目安

高校生

17〜20

大学生・社会人

約22

プロ野球(MLB級)

約25


■ FFMIを高める方法

  1. 筋力トレーニングの漸進性 スクワット・ベンチプレス・デッドリフトなど多関節種目を中心に、重量・回数・セット数を段階的に伸ばす。

  2. 十分なたんぱく質摂取 目安は 体重1kgあたり1.6〜2.2g/日。食事から確保が基本、足りない分をプロテインで補助。

  3. エネルギーバランスの確保 「食事量が不足 → 筋合成が止まる」ため、増量期は消費カロリー+300〜500kcalを意識。

  4. 睡眠・回復 成長ホルモン分泌や筋修復には7〜9時間の睡眠が必須。


■ まとめ

  • FFMI(徐脂肪指数)=筋肉量の“BMI版” ともいえる指標

  • アスリートにとっては「筋量を正しく評価し、競技特性に合った身体を作る」ために重要

  • 高めるには 計画的な筋トレ・十分なたんぱく質・エネルギー摂取・睡眠 が不可欠

  • 野球選手にとっては、競技レベルに応じて20〜25が理想レンジ

  • 高校生は自然な成長を優先し、大学以降はトレーニングと栄養で22以上を目指す

  • プロでは24〜25が到達目標値

👉 「体重」や「体脂肪率」だけでなく、FFMIを意識することが、真の競技力アップにつながるといえるでしょう。

📚 参考文献

  • Bozzini, B. N., et al. (2023). Fat-Free Mass Index in a Diverse Sample of Male Collegiate Athletes. Journal of Strength and Conditioning Research. ResearchGate link

  • Ma-Fit-Ciach, P. (2023). Fat-Free Mass Index in Male Athletes. PDF link

  • Schutz, Y., Kyle, U. U., & Pichard, C. (2002). Fat-free mass index and fat mass index percentiles in Caucasians aged 18–98 years. International Journal of Obesity, 26(7), 953–960.

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