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フォームを固めるという考え方について - 野球の打撃動作と“動作の多様性”
■ 「フォームを固める」という考え方 多くの選手や指導者は「フォームを固める」ことを理想と考えます。確かに、反復練習によって安定した再現性を得ることは重要です。しかし、常にフォームを固めるべきだという考えには落とし穴があるように思います。それは「 状況に適応する力(可変性) 」を失うリスクがあるからです。 ■ 人の動きは「繰返しのない繰返し」 人間の運動は、機械のように同じ動きを再現しているわけではありません。 たとえ熟練した選手でも、スイングの軌道やタイミングは毎回わずかに異なる。 むしろ、その 小さなズレ(変動性)こそが“適応力” であり、これは「動作多様性(Movement Variability)」と呼ばれています。 この考え方は「システム論的運動制御(Dynamic Systems Theory)」に基づき、動作を「固定化すべきフォーム」ではなく、環境と身体と課題の相互作用から生まれる自己組織化(self-organization)として捉えます。 ■ アトラクターとフラクチュエイター この理論の鍵が、アトラクター(Attractor)

青柳貴宏
11月10日読了時間: 3分
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