学生スポーツ選手こそ「ピリオダイゼーション」と「ピーキング」を意識しよう
- 青柳貴宏
- 8月26日
- 読了時間: 2分
■ 漠然とトレーニングをしていませんか?
部活動やクラブでの練習は「毎日全力で取り組む」ことが美徳とされがちです。しかし、スポーツ科学の観点から言うと強度や内容を計画的に変化させなければ、成長は頭打ちになります。むしろ疲労が蓄積し、ケガやオーバートレーニングにつながる危険もあります。そこで重要になるのが「ピリオダイゼーション」と「ピーキング」という考え方です。
■ ピリオダイゼーションとは?
ピリオダイゼーション(Periodization)とは、長期的にトレーニングを計画し、段階的に負荷や内容を変化させる方法のこと。シーズンを見据えて「基礎 → 発展 → 試合期」のように期分けを行います。
典型的には:
準備期:基礎体力づくり(筋力・持久力・可動性)
強化期:競技に直結する筋力・パワー・スピードを重点強化
試合期:競技動作の精度やコンディショニング
移行期:休養・リカバリーと弱点補強
これにより「常に同じ刺激で停滞する」「ケガでシーズンを棒に振る」といったリスクを減らせます。
■ ピーキングとは?
ピーキング(Peaking)は、大事な大会や試合に最高のコンディションを合わせることです。
例えば陸上や野球の大事な大会に向けて:
直前の2〜3週間は負荷を徐々に下げて疲労を抜く
筋力やスピードの「鋭さ」を維持する短時間・高強度の練習を残す
睡眠・栄養・メンタルを調整し、試合当日に100%発揮できるようにする
勝負どころに最高のパフォーマンスを持っていく技術がピーキングです。
■ 実践のヒント
年間スケジュールを見て、大会から逆算して練習計画を立てる
1週間の中でも「強い日」「軽い日」を交互にして、回復を組み込む
ケガ明けや試験期などは「強度を落としてでも継続する」ことを優先
試合前は「疲労を抜きつつ、動きのキレを残す」工夫を
■ まとめ
「毎日がむしゃらに頑張る」ことは大事ですが、“計画性”は欠かせません。
学生スポーツ選手こそ、ピリオダイゼーションとピーキングを意識してトレーニングの質を高め、大会を最高のコンディションで迎えましょう。

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