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子どもの足育と運動能力 ― 薄底シューズをシーンに応じて取り入れるメリット

更新日:9月5日

今は子どもの時から、かなりの厚底タイプのランニングシューズが一般的となってきています。クッション性が高く、長時間履いても疲れにくい「安心感」があり、怪我予防のイメージも強いのですが、スポーツ能力向上との関係で考えてみたいと思います。


■ 足裏感覚は「運動神経の入り口」

私たちが走ったり跳んだりするとき、実は足裏の感覚(床を感じる刺激)が大きな役割を担っています。厚底やクッション性の強いシューズは衝撃を和らげてくれる一方で、足裏からの刺激を減らしてしまう可能性があります。

研究では、はだしや薄底で育った子どもはバランス感覚や跳躍能力に優れる傾向があることが報告されています(Zech et al., 2018)。※一方で短距離走ではシューズ着用の方が速いというデータもあり、薄底が運動能力向上に万能であるということではありません。


■ 野球の動きに必要な「足裏感覚」

野球は走る・止まる・ジャンプ・投げるなど、多彩な動作を繰り返すスポーツです。その中で重要なのが 足裏の感覚(床反力を感じる力) です。


厚底シューズはクッション性が高く、膝や腰を守るメリットがありますが、接地感覚が鈍くなる可能性があります。一方で、薄底シューズやはだしに近い環境は、足裏のセンサーを刺激し、バランス能力や跳躍力を高める基盤になると考えられています。


■ 厚底シューズと薄底シューズ ― 使い分けの考え方

  • 厚底シューズのメリット

    膝や腰への衝撃を減らす/長距離走や舗装路での安全性が高い/疲労軽減に役立つ

  • 薄底シューズのメリット

    足裏感覚が鋭くなる/足部の小さな筋肉が鍛えられる/バランス力やジャンプ動作の基礎づくりにプラス

👉 「常に厚底」や「常に薄底」ではなく、使い分けが大切です。


■ 実際の取り入れ方

  1. 学校や普段の運動:安全を優先して一般的なシューズ(厚底寄り)

  2. 体育館での運動遊び/体幹トレーニング:安全な環境ではだしや薄底を導入

  3. 部活動やスポーツ練習:メインは競技用シューズ、補助トレーニングに薄底やはだしドリルを組み合わせる

このように二刀流スタイルで、安全性と足育の両立が理想となります。


■ まとめ

  • 厚底シューズはケガ予防や長距離走の安全性で優秀

  • 薄底シューズやはだしは、バランス感覚や跳躍能力の基礎づくりに有効

  • 「どちらか一方」ではなく、シーンに応じて両方を取り入れることが理想的

👉 日常の中で薄底シューズやはだしの機会をあえて作ることが、スポーツ能力を伸ばす第一歩になります


厚底ランニングシューズと足裏感覚

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