ヒップロックとは何か? 競技動作に生きる“止める力”
- 青柳貴宏

- 8月26日
- 読了時間: 2分
■ ヒップロックの定義
「ヒップロック」とは、骨盤をしっかり“止める”ことでエネルギーを上半身へ伝える動作を指します。具体的には、
片脚で接地した瞬間に股関節まわりを安定させ、骨盤を前方に突っ込ませない
その“止め”を起点に、体幹の回旋や上半身の動きに力を伝えるという考え方です。
簡単に言えば、「股関節でブレーキをかけてパワーを上に逃さず伝える」技術です。
■ なぜ重要なのか?(メカニズム)
運動の基本は「地面反力」=地面を押した力を体に返すことです。ただし、下半身がグラグラしていたり骨盤が前に流れてしまうと、力は上半身まで伝わらず“ロス”が生まれます。
ヒップロックは、踏み込んだ脚の股関節・膝・足首を一瞬で安定させることで、
地面からの反力を骨盤で止め
体幹の回旋・肩の動作に効率的に伝え
最後に腕やバット・ラケットなどへエネルギーを流す
という「力の橋渡し」の役割を果たします。
■ 実際の競技動作での役立ち方
野球投手:踏み込み脚の股関節でブレーキをかけると、骨盤が安定し、体幹回旋が強くなり球速が上がる。
打撃(野球・テニス・ゴルフなど):軸足の股関節を“ロック”することで、下半身の回転力を逃さずバットやラケットに伝える。
陸上短距離:接地ごとに股関節で力を“止める”ことで、ブレずに地面反力を推進力へ。
ジャンプ系スポーツ(バレー・バスケ):着地でヒップロックできると衝撃を吸収しつつ次の動作へ移れる。
👉 どの競技でも共通するのは、「動きを生み出す前に、一瞬しっかり止める」ことが力の伝達効率を高める点
■ トレーニングでの意識
シングルレッグスクワット/ランジ:股関節でブレを止められるか意識
メディシンボールスロー(ステップイン):前脚で骨盤をロックしてから体幹回旋へ
スプリントドリル(Aスキップ):接地ごとに股関節で止める感覚を養う
■ まとめ
「ヒップロック」とは、骨盤を安定させて力を上半身に伝える“止める技術です。漠然と走ったり投げたりするだけではなく、止める→伝える→加速するの流れを意識できるかどうかで、パフォーマンスは大きく変わります。





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