【野球】肩のインナーマッスルを鍛えるって?
- 青柳貴宏

- 2月13日
- 読了時間: 3分
「肩のインナーマッスルを鍛えた方がいい」という指導者からの指示を受けたことのある方は多いと思います。今回は肩のインナーマッスル=回旋腱板についてです。
■肩のインナーマッスル=回旋腱板(ローテーターカフ)とは?

インナーマッスル(回旋腱板)とは身体の表面よりも深層の骨の近くある肩関節を安定させる以下4つの筋肉。
棘上筋(きょくじょうきん)
棘下筋(きょっかきん)
小円筋(しょうえんきん)
肩甲下筋(けんこうかきん)
役割を一言で言いきってしまうと「上腕骨頭を関節窩の中心に保つこと」。つまり動かすため筋肉ではなく「ずれないように抑えるための筋肉」。
■肩関節の特徴

① 可動域が大きい
肩関節(肩甲骨と上腕骨での関節)は屈曲・伸展・外転・内外旋・水平内外転のあらゆる動きができますね。この可動域の大きさはは、悪くとらえると不安定ということになります。
② 受け皿が浅い
股関節は深いソケットで骨頭をキャッチしていますが、肩はゴルフボール(上腕骨頭)がティーの上(関節窩)くらいのイメージになり骨の安定性は低いと言えます。
➡インナーは上腕骨頭を関節の中心に保ち、ブレーキをかける安定させる役割を担っています。
■投球で起きていること
野球の投球で肩に起きていることは、
外旋(最大外旋MER)
加速期(高速内旋)
減速期(ブレーキ)
特に問題になるのは肩は極限まで外にねじられる最大外旋(MER)、そして高速で振られた腕を止める減速期です。この減速期では回旋腱板が遠心性収縮でブレーキ役になります。
■故障の機序
① 上腕骨頭の前上方偏位
回旋腱板が弱いと三角筋や大胸筋のパワーに負けて骨頭が前にずれ、結果インピンジメント、SLAP損傷、関節唇ストレスなどを生じさせます。
② 減速期での遠心負荷
特に棘下筋・小円筋はボールを投げ終わった後の「止める仕事」がメインになり、ここで疲労蓄積→微細損傷→炎症が生じます。
③ 肩甲骨が機能していない
いわゆる肩甲骨前傾、下方回旋、肩内旋位だと、腱板が常に伸ばされた状態で働くことになり破綻をきたしやすいと言えます。
■トレーニングの重要性
回旋腱板は球速を上げる筋肉ではなく、肩を壊さずに投げ続ける筋肉です。重要な目的として下記が挙げられます。
上腕骨頭の求心位保持
減速能力向上
肩関節の安定性向上
インピンジメントの予防
■基本トレーニング
① チューブでの外旋(肘90°固定)
② サイドライイング外旋(ダンベル1kg程度)
③ 90°外転位での外旋(チューブ)
④ 外旋→内旋のコントロールドリル(ストレッチマシンなどでも)
⑤ 壁倒立(回旋腱板の共同収縮)
⑥エアロバー(こちらは小刻みに素早い動作でOK)
➡15~20回×2~3SETを目安にいずれも軽負荷・高回数・ゆっくり行う。
➡投球前の活性目的で行ってもよい。
➡疲労時には行わないこと。
➡高重量で行うと三角筋/僧帽筋上部が代償/優位で「インナーを鍛えたつもり、中途半端なアウタートレ」になる。
■まとめ
障害予防の観点から肩のインナーマッスルは鍛えた方がいいのですが、地味なトレーニングゆえに正しく行われていないと感じるケースは多いです(高重量で行ったり速い動作スピードだったり)。球速を上げる主役ではありませんが、投げ続けるためにはインナーマッスルを鍛えましょう。



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