top of page

筋分解を防ぐ「ディフェンシブアミノ酸」グルタミンとは?

■ グルタミンとは?

  • 体内で最も豊富に存在するアミノ酸(遊離アミノ酸の約60%)

  • 非必須アミノ酸だが、ストレスや運動負荷が大きいと「条件付き必須アミノ酸」に分類される

  • 筋肉・免疫細胞・腸粘膜など、さまざまな組織で利用される


■ 筋分解(カタボリック)を防ぐ役割

  • 激しい運動や過度のストレスで筋肉中のグルタミンは大きく減少する

  • グルタミンは「筋タンパク分解を抑える」方向に働き、特に持久系運動や高強度トレーニング後に筋肉の分解を防御するバッファーになると考えられている

  • Newsholme (1994) などの研究では、グルタミン濃度の低下が免疫抑制や筋分解と関連することが指摘されている

👉 つまり、グルタミンは“守りのアミノ酸”として位置づけられる


■ 免疫機能のサポート

  • グルタミンは白血球や腸上皮細胞の主要なエネルギー源

  • 運動後のグルタミン低下が「風邪をひきやすい」「回復が遅い」状態に結びつくという報告あり

  • Castell & Newsholme (1997) の研究では、グルタミン摂取によって激しい運動後の感染率低下が観察されている


■ 摂取と実用性

  • サプリメントとしては、1回5〜10g、1日合計10〜20gが一般的に用いられる

  • 就寝前・トレーニング後に摂取することで、筋分解抑制や回復支援を狙える

  • ただし、筋肥大そのものに直結する強いエビデンスは少なく、主に回復・免疫サポート・分解抑制に寄与する補助的な位置づけ


■ まとめ

  • グルタミンは「筋肉を大きくするための攻めのアミノ酸」ではなく、筋肉を守るディフェンスのアミノ酸

  • 激しい練習や試合が続く学生アスリート、免疫力が落ちやすい時期には摂取する価値がある

  • プロテインや食事からも摂取できるが、負荷が高いと不足しやすいため、サプリで補うのも有効


📚 主な参考文献

  • Newsholme, E.A. (1994). Glutamine metabolism and its role in immune function. Nutrition.

  • Castell, L.M., & Newsholme, E.A. (1997). The effects of oral glutamine supplementation on athletes after prolonged, exhaustive exercise. Nutrition.

  • Cruzat, V., et al. (2018). Glutamine: Metabolism and immune function, supplementation and clinical translation. Nutrients.


ree

コメント


bottom of page