デプスジャンプとドロップジャンプの違い
- 青柳貴宏

- 10月10日
- 読了時間: 3分
ジャンプトレーニングの代表格として知られる「デプスジャンプ」と「ドロップジャンプ」。どちらも「高い位置から降りてすぐ跳ぶ」動作に見え混同してしまいそうですが、実は目的も効果もまったく違うトレーニングです。今回は、この2つの違いと、野球などの競技動作への応用について解説します。
■ デプスジャンプとは
デプスジャンプは、「最大の高さを狙って跳ぶ」ことを目的としたジャンプトレーニングです。箱や台(40〜75cm)から飛び降りて、一度しっかり着地し、そこから爆発的にジャンプします。
このとき、着地によって筋肉や腱が伸ばされ(エキセントリック局面)、その弾性エネルギーを活かして短縮(コンセントリック局面)することで大きな力を発揮します。いわゆる伸張–短縮サイクル(SSC)の最大化を狙うトレーニングです。
主な効果
爆発的なジャンプ力・スプリント力向上
地面反力の効率的な活用
筋力とスピードの統合的な出力強化
特に、投球や打撃の“地面を押し返す力”を強化したい野球選手には有効です。
■ ドロップジャンプとは
ドロップジャンプは、「着地してからできるだけ速く再び跳ぶ」ことを目的とします。台(20〜60cm)から降り、接地時間を極限まで短くして反射的に跳ね返るのが特徴です。
ここでは力をためることよりも、素早い反応と弾性反発の利用が重視されます。神経系の反応速度を高め、「弾むような動き」を習得します。
主な効果
接地時間の短縮(地面反力の即時利用)
腱や足関節の弾性強化
神経系の反応スピード向上
守備の一歩目や、走塁・方向転換など、“切り返しの速さ”を求める動きに直結します。
■ 比較まとめ
■ 野球動作への応用
デプスジャンプ
地面を押し返す力を高め、骨盤の回旋スピードを上げたい投手や打者に。
→ “ため”を作ってから爆発的に動くトレーニング。
ドロップジャンプ
守備のスタート、走塁の切り返し、反応的な動作を鍛えたい選手に。
→ “ため”よりも“弾き返す”スピードを重視。
■ まとめ
デプスジャンプは「力強く跳ぶ」ための練習。ドロップジャンプは「速く弾む」ための練習。どちらも「地面反力をどう使うか」を学ぶ重要なトレーニングで混同してしまいそうですが、目的に応じて正しく使い分けることがパフォーマンス向上のカギになります。





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