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デプスジャンプとドロップジャンプの違い

ジャンプトレーニングの代表格として知られる「デプスジャンプ」と「ドロップジャンプ」。どちらも「高い位置から降りてすぐ跳ぶ」動作に見え混同してしまいそうですが、実は目的も効果もまったく違うトレーニングです。今回は、この2つの違いと、野球などの競技動作への応用について解説します。


■ デプスジャンプとは

デプスジャンプは、「最大の高さを狙って跳ぶ」ことを目的としたジャンプトレーニングです。箱や台(40〜75cm)から飛び降りて、一度しっかり着地し、そこから爆発的にジャンプします。

このとき、着地によって筋肉や腱が伸ばされ(エキセントリック局面)、その弾性エネルギーを活かして短縮(コンセントリック局面)することで大きな力を発揮します。いわゆる伸張–短縮サイクル(SSC)の最大化を狙うトレーニングです。


主な効果

  • 爆発的なジャンプ力・スプリント力向上

  • 地面反力の効率的な活用

  • 筋力とスピードの統合的な出力強化

特に、投球や打撃の“地面を押し返す力”を強化したい野球選手には有効です。


■ ドロップジャンプとは

ドロップジャンプは、「着地してからできるだけ速く再び跳ぶ」ことを目的とします。台(20〜60cm)から降り、接地時間を極限まで短くして反射的に跳ね返るのが特徴です。

ここでは力をためることよりも、素早い反応と弾性反発の利用が重視されます。神経系の反応速度を高め、「弾むような動き」を習得します。


主な効果

  • 接地時間の短縮(地面反力の即時利用)

  • 腱や足関節の弾性強化

  • 神経系の反応スピード向上

守備の一歩目や、走塁・方向転換など、“切り返しの速さ”を求める動きに直結します。


■ 比較まとめ


デプスジャンプ

ドロップジャンプ

主な目的

パワー発揮(高さ・出力)

反応スピード(速さ・弾性)

接地時間

長め(力をためる)

短い(即時反発)

筋肉の使い方

伸張 → 短縮(大きく)

伸張 → 短縮(素早く)

向いている競技動作

投球・打撃・ジャンプ系

スプリント・守備・方向転換系

感覚イメージ

「地面をぶっ壊すように跳ぶ」

「地面を弾くように跳ぶ」


■ 野球動作への応用

  • デプスジャンプ

    地面を押し返す力を高め、骨盤の回旋スピードを上げたい投手や打者に。

    → “ため”を作ってから爆発的に動くトレーニング。

  • ドロップジャンプ

    守備のスタート、走塁の切り返し、反応的な動作を鍛えたい選手に。

    → “ため”よりも“弾き返す”スピードを重視。


■ まとめ

デプスジャンプは「力強く跳ぶ」ための練習。ドロップジャンプは「速く弾む」ための練習。どちらも「地面反力をどう使うか」を学ぶ重要なトレーニングで混同してしまいそうですが、目的に応じて正しく使い分けることがパフォーマンス向上のカギになります。


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